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「バイプレイヤーズ」シリーズ第3弾をコラムニスト・吉田潮が斬る「ありそうでなかった!名脇役が怒濤の集結」

映画・ドラマに欠かせない田口トモロヲ、松重豊、光石研、遠藤憲一ら名脇役が本人役で出演し、テレビ業界の裏側をおかしく描いた「バイプレイヤーズ」。「業界内視聴率30%」ともいわれた異色作ながら、シリーズ化さらには映画化までされた人気作品だ。 ファミリー劇場で12/4(月)より、名脇役が100人も登場しスケールアップしたシーズン3の「バイプレイヤーズ〜名脇役の森の100日間〜」(2021年)が毎週(月)~(水)で放送される。ドラマに精通するコラムニスト・吉田潮さんに、「バイプレイヤーズ」シリーズの魅力をはじめ、シーズン3の見どころを伺った。 大杉漣、田口トモロヲ、光石研、遠藤憲一、寺島進、松重豊。いぶし銀の名脇役6人をメインに迎え、全員が本人役を演じる。ありそうでなかったドラマが『バイプレイヤーズ』だ。 2017年放送で人気を博し、シリーズ化。すそ野はどんどん広がり、日本のドラマ・映画界を担う脇役俳優たちがここぞとばかりに集結。シェアハウス同居(シーズン1)、無人島生活(シーズン2)を経て、シーズン3は撮影所を舞台に「テレビドラマ業界の虚実皮膜」を滑稽に描く隠れた名作となった。いや、放送後に映画化したので隠れてはいない。名脇役100人を集め、人的には大規模かつ豪華な作品へと成長したのである。 本人役だがあくまでフィクション。手練れぞろいなだけに、どこまでがリアルでどこまでが演技なのか、境目はわからない。脇役俳優の個性と惰性、密かな意地と矜持を肌で感じることができる稀有なドラマなのだ。 郊外の森の中に建つ撮影所・バイプレウッドが舞台。コロナ禍の影響で、民放5局のドラマ撮影が奇しくも集結しちゃったというシチュエーションだ(NHKも後半に登場、巨悪な権力組織というテイで描かれる)。 
 
各局ドラマの特性をとらえた架空の作品が登場するが、その描き方には皮肉と揶揄が込められていてなんとも可笑しい。そもそもテレビ東京制作なので、自虐も容赦ない。全局が首相辞任会見を放送する中「テレ東」だけはふざけた刑事ドラマを流し、タナボタで視聴率トップを獲得。しかも社長賞がバナナ1本、という設定はまさに虚実皮膜の妙。 もはやバイプレイヤーではなく主役級の俳優までもが登場し、全員でパロディを楽しんでいる模様。俳優陣が視聴率や役の獲得をめぐって熾烈な争いを繰り広げるなど、荒唐無稽と思いつつも、ほんの1滴の真実も垣間見える気がして侮れない。

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