古典的な傑作「サスペリア」 新たな世代のファンを獲得し続けているその理由
#芸能 #韓流・海外スター #コラム 2024.7.24

映画宣伝史における屈指の名キャッチコピー「決してひとりでは見ないでください」とともに公開され、日本でも大ヒットを記録した「サスペリア」(1977年)は、言わずと知れたホラー映画の古典的な傑作である。当時、監督のダリオ・アルジェントは、ジャーロと呼ばれるイタリア特有の猟奇スリラー&ミステリーのジャンルで成功を収めていたが、新境地を開くために「魔女」という神秘的な題材に取り組んだ。周知の通り、1970年代の映画界ではウィリアム・フリードキン監督の「エクソシスト」(1973年)をきっかけにオカルト・ブームが吹き荒れていたが、その末期に製作された「サスペリア」は「エクソシスト」の亜流作品ではないし、オカルト・ホラーの文脈で語られることもほとんどない。アルジェント監督が完成させたのは、他の作品と比較することさえ無意味に思えるほどオンリーワンの独創性に満ちあふれた恐怖映画だったのだ。