infomation

あなたの周りのお役立ち情報

今ボードゲームが流行中!その理由をボードゲームソムリエ・松永直樹が分析

世界のおもちゃについて取り上げたドキュメンタリー「世界はオモチャで回ってる」が、12月2日(土)よりヒストリーチャンネルで放送される。おもちゃを生み出した人々と産業の歴史をたどり、「フリスビー」や「バービー」など世界の革命的なおもちゃについて紹介していく。12月23日(土)のテーマは「ボードゲーム」。オンラインゲームが全盛の時代に、世界市場でひそかなブームを起きているという。本番組をもっと楽しめるよう、ボードゲームの歴史や魅力、そして初心者にもおすすめのボードゲームについて、ボードゲームソムリエの松永直樹さんに話を聞いた。 今、ボードゲームの人気が世界中で上昇中だという。なぜアナログゲームの人気が高まっているのだろうか。 「世界ではボードゲームが最もはやっているドイツが市場を盛り立てているのですが、日本でもゲームマーケット(コミックマーケットのゲーム版)が開催されるようになり、個人で作ったゲームを広める動きが市場を大きくしてきたことで、人気が高まってきました。最近はクラウドファンディングで気軽に出資を募ることができるようになったのも大きいですね。特にボードゲームは制作にかかるコストが低いので、出資者が少なくても企画が成立しやすいんです。最近は SNSのおかげで、著名人が"面白い"と発信することで広まったり、少し前から実際にボードゲームを楽しめる場所"ボードゲームカフェ"が登場したことで、お金をあまりかけずに遊べるコストの低さが学生にも人気になっています」 最近の若者にとって、ボードゲームカフェは昔の学生の遊び場「ラウンドワン」のようなレジャー施設と同程度の地位を築いているという。そこにはアナログならではの魅力が関係している。 「デジタル世代の若者にとって、相手の反応をじかに見て取れるゲームは貴重なものなんです。それに目の前に大きなボードを置くゲームというだけで、なぜかワクワクしてきませんか? 例えば、実際にライブ会場に行くのとライブのDVDを見るだけとでは、同じことでも印象が大きく違いますが、それとある意味似ていると思います。そういう意味では、デジタルで表現できないゲームが人気ですね」 紀元前までさかのぼるほど長い歴史を持つボードゲームの中でも、傑作と呼ばれるものは教育や書籍のゲーム版として出されているものが多いという。 「有名なものでいえば、『人生ゲーム』は聖書の教えを広めるゲームが原型です。世界一売れているゲーム『モノポリー』も、土地の賃料を徴収することに疑問を呈した著者が書いた本を普及させるために生まれたものでした。また、架空の戦争を再現するウォーゲームなどは、元をたどると軍事演習のシミュレーションゲームとして始まったものです。そこには娯楽要素だけでなく、教育や知恵を広く伝えるために考え出された工夫が詰め込まれているんです」 ドイツのボードゲーム「カタン」が発売された1995年以降、ゲームが徐々に複雑化。結果として初心者離れを引き起こした。2002年にはゲームの難易度が難しいゲームと簡単なゲームが二極化し始め、遊ぶ層も二極化することに。次第に勝敗を重視するのではなく、コミュニケーション型の「ディクシット」や、協力型の「パンデミック」などのゲームが注目されるようになった。「相手に勝つ」ことよりも、「ゲームの過程を楽しむ」「プレーヤー同士で協力して楽しむ」という、新しい楽しみ方ができるゲームが増えていった。 「昔は相手と争い勝敗を競うゲームが多かったので、とにかく邪魔をして思い通りにさせない戦略要素の強いゲームが主流でした。しかし、最近の風潮として、相手に嫌がらせをするゲームを嫌う人が多いんです。だから相手に干渉されずに最高得点を目指す箱庭型のゲームや、『モンスターハンター』のように全員でクリアを目指す協力ゲームが好まれるようになりました。『昔の名作を協力ゲームにすればヒットするのでは?』と言われるほど、協力ゲームはトレンド化していると思います。また、最近はデジタルと融合したゲームが発売されてきていて、音と演出が加わったことで周りで見ている人たちも楽しむことができるようになりました。複雑な計算をコンピューターがやってくれるようになって簡単に遊べるようになりましたし、審判などもやってくれるので、例えば『人狼』などで司会をする必要がなくなりました。参加者全員でゲームを遊べるというのはすごくいいことだと思います。今後はデジタルを使用したものや、ITコンテンツを取り入れたものが増えてくるのではないでしょうか」 最後に、気軽に楽しめる初心者向けのボードゲームを紹介してもらった。 「ジャスト・ワン」(大人数向け)
「ドイツ年間ゲーム大賞2019の大賞受賞作品。『みんなが出したヒントから答えを連想する』連想系ボードゲームです。プレーヤーのひとりが『回答者』となり、他のプレーヤーはヒントを記入。ただし、他の誰かと同じ内容だと、そのヒントを回答者は見ることができなくなるようになっています。もちろん、ヒントを考えるときにプレーヤー同士で話し合うことは禁止です。人数が多いほど盛り上がると思います」 「ドブル」(何人でも楽しめる)
「55枚の丸いカードの中から共通のイラストを探し出す、観察力と反射神経を使うゲームです。1枚のカードの中に数種類のイラストが描かれているんですが、全てのカードは他のカードとたった1つだけ同じマークが描かれるようになっています。同じ絵柄を当てるシンプルな内容なので、大人から子供まで幅広い年代で楽しめると思います」 「こねこばくはつ」(2~5人向け)
「ロシアン・ルーレットのようなゲームです。『こねこばくはつ』カードを引くまで順番に引き続け、引いた人がリタイアとなります。最後まで生き残るためにはUNOのように手札の効果を使って回避する必要があり、スリルがあって楽しいですよ」

戻る 続きを読む

天気

周辺の天気をお届けします

TOPへ