高倉健、倍賞千恵子、武田鉄矢、桃井かおり...若かりし頃の名優たちが織り成す芝居の化学反応「幸福の黄色いハンカチ 4Kデジタル修復版」
#芸能 #俳優 #コラム 2025.11.29
映画「武士の一分」(2006年)以来、19年ぶりに木村拓哉とタッグを組んだ映画「TOKYOタクシー」(2025年)が公開中の山田洋次監督。山田監督といえば渥美清主演の「男はつらいよ」シリーズや映画「息子」(1991年)、映画「学校」シリーズ、映画「たそがれ清兵衛」(2002年)、映画「キネマの神様」(2021年)など、代表作は枚挙にいとまがないが、中でも外せない作品が映画「幸福の黄色いハンカチ」(1977年)だ。衛星劇場で放送される。 同作品は、1971年に「ニューヨーク・ポスト」紙に掲載されたピート・ハミルのコラムを基に山田監督が高倉健主演で映画化したもので、雄大な北海道を舞台に、刑期を終えた中年男と若い男女が出会い、それぞれの愛を獲得するまでを描いた日本のロード・ムービーの金字塔。「第1回日本アカデミー賞」では、最優秀作品賞をはじめ、最優秀監督賞、最優秀脚本賞、最優秀主演男優賞、最優秀助演男優賞、最優秀助演女優賞の6冠を獲得したほか、「第51回キネマ旬報賞」「第32回毎日映画コンクール」など数多くの賞を受賞した。 失恋してヤケになった欽也(武田鉄矢)は、勤めていた工場を退職。その退職金で新車を購入し、失恋の傷を癒すために車を携えフェリーで北海道にやってくる。釧路から網走にやってきた欽也は、駅前で片っ端から女性に声をかけていき、職場で恋人を同僚に取られて東京から一人傷心旅行に来ていた朱美(桃井かおり)をナンパすることに成功。欽也の車でドライブを始めた2人は海岸を訪れ、そこで出会った刑期を終えたばかりの勇作(高倉)に写真を撮ってもらう。その縁で、3人旅を始める――というストーリー。 それぞれ心に傷を負った3人がひょんなことから出会い、日常から離れた環境で、時に力を合わせ、時にいがみ合いながら、さまざまなトラブルを乗り越えて心を通わせていくロード・ムービーの醍醐味に加え、山田監督が作り上げるコミカルとシリアスの絶妙な配合からなる脚本と演出など、同作品の魅力を挙げるとキリがないのだが、その中でもやはり特筆すべきは役者陣の演技だろう。

















