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「鬼平犯科帳 暗剣白梅香」早乙女太一、30周年の節目で挑む難役 「自分の集大成として金子半四郎を生きた」

松本幸四郎主演、池波正太郎原作のシリーズ最新第6弾「鬼平犯科帳 暗剣白梅香」が時代劇専門チャンネルにて、7月5日(土)に独占初放送される。本作では、暗黒街の顔役から長谷川平蔵(松本幸四郎)暗殺を依頼された妖艶な芳香を纏う刺客・金子半四郎が、平蔵に迫る中、やがて平蔵は半四郎と引き込み役・彦の市を繋ぐ数奇な運命に辿り着く――というサスペンスが展開する。 主人公・平蔵と対峙する謎多き刺客・半四郎を演じるのが早乙女太一だ。物語では、仇討ちのために故郷を離れ心ならずも仕掛人に身をやつす男として、観る者の心を揺さぶる存在感を見せている。「これまで積み重ねてきたすべてを、この役にぶつけたかった」と語る早乙女。"亡霊のように生きているのか死んでいるのか分からない"半四郎という役をどう捉え、演じ抜いたのか――。役との向き合い方や、30年にわたり変化し続けてきた俳優としてのスタンスについて、じっくりと話を聞いた。 ――「鬼平犯科帳」という歴史あるシリーズへのご出演が決まった時のお気持ちから聞かせてください 「この歴史ある作品に自分が関われるということは、すごく嬉しかったです。僕は約20年前に幸四郎さんが出演している舞台を見て、その殺陣に衝撃を受けました。今こうして幸四郎さんと共演できる日が来たということが嬉しかったです。役者としてのキャリアの中でも、一つの夢が叶ったという実感がありました。自分がやってきたことが報われたような気持ちにもなりましたし、これまでの経験をすべてぶつけるつもりで臨みました」 ――演じられた金子半四郎という役柄について、どのような印象を受けましたか? 「これまでにも孤独や闇を背負った役を多く演じてきたので、どこか自分に馴染みのあるキャラクターでした。逆に最近はそういう役が少なくなっていたので、今回は"過去の自分"を思い出すような気持ちでもありました。半四郎は、どこか生きているのか死んでいるのか分からない、まるで亡霊のような存在だと感じていて。父の仇討ちという運命を背負って生きてきたものの、最初に人を斬った時に自分自身の心も同時に殺してしまったという感覚があったんです。なので、この世に足をつけているようでどこか浮遊している、命の気配が希薄な存在として、画面からそうした空気感が伝わればいいなと思っていました」 ――芸歴30周年を迎える年に、この役と出合ったことについて感じることはありますか? 「こういう役柄を今まで多くいただいてきた分、これまで経験してきたことや心に積み重ねてきたものをすべてこの半四郎に込めて、自分の"集大成"のような思いで演じました」 ――セリフが多くない役柄でしたが、感情を表現する上で表情や所作、動きで特に意識されたことはありましたか? 「言葉数が少ない分、"何も語らない"中でどう感情や物語を伝えられるかは意識しましたね。半四郎は、人から見ると"何を考えているのか分からない""そこにいるのか、いないのか分からない"という存在。その無機質さと、時折垣間見える人間らしさ、そのバランスを大切にしました。殺陣のシーンでも、初めて人を斬る時と熟練した仕掛人としての立ち回りは違う"迷いや躊躇"を所作や視線で表現するようにしました。セリフがなくても、観ている方にストーリーや内面が伝わるようにしたいと常に考えていました」 ――半四郎の外見作りも印象的でした。白塗りの顔や着物の変化など、ご自身でこだわった部分はありますか? 「外見については、監督や衣装、メイクさんと一緒に"こうしていこう"と細かく決めていきました。自分としては、その変化に合わせて半四郎の"死に向かっていく感覚"や、どこか悲壮感や諦めが身体に染みついていく様を、全身で表現できればと思っていました。装束が変わる時や、顔におしろいを施した時などは、自然と"命の終わり"や"自分がすでにこの世の人間ではない"という感覚に近づいていく不思議な気持ちがありました」 ――所作や殺陣について、今回特に大切にしたことはありますか? 「立ち回りの面白さは、1対1の場合は特に"間合い"や"心のせめぎ合い"にあると思います。誰と戦っているのか、その間をどう詰めていくのかが物語を生み出します。今回の半四郎は、効率よく、無駄のない動きで相手を仕留めるという人物だったので、"無駄のなさ"をすごく意識しました。殺陣の起承転結、始まり方と終わり方、終えたあとの余韻――そういった部分に特にこだわっています」

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