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綾野剛×柴咲コウ『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』初共演で築いた信頼関係

第6回新潮ドキュメント賞を受賞した福田ますみのルポルタージュ『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』(新潮文庫)を、『悪の教典』『怪物の木こり』などを手がけた三池崇史監督が映画化した『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』が、6月27日(金)に公開される。 日本で初めて"教師による児童へのいじめ"が認定された、20年前の衝撃的な事件。報道により"史上最悪の殺人教師"と断罪された男は、法廷で無罪を訴える。世間の空気、供述の重み、そして一人の人間が背負わされる「真実」とは何か。センセーショナルなテーマが飛び交うドラマを、豪華俳優陣の競演でスリリングに描き出す衝撃作だ。 主人公である小学校教諭・薮下誠一を演じるのは綾野剛。薮下に対し息子が体罰を受けたと告発する母親・氷室律子役には柴咲コウ。今作において、綾野と柴咲がどう作品と向き合い、どう真実を体現したのか――演技への信念、役作り、現場での緊張感、そして三池監督との再会を語ってもらった。 ――まずは最初に、脚本を読んだときの第一印象について聞かせてください 綾野「とにかくワクワクしました。登場人物それぞれの視点が異なり、誰もが自分の事象を語っているという構造と、"共演者との総当たり戦"といいますか、次々と向き合う人物や事柄が変わり、そのたびに全力で挑むという、まるでトーナメントのようであり、ノーガードの打ち合いのような生身での真剣勝負。そういう現場は本当に稀有ですし、滾りました」 ──序盤は学校での撮影から始まったとお聞きしましたが、初日からその"総当たり戦"は始まっていたんです綾野「初日は光石(研)さんと、大倉(孝二)さんとのシーンでした。すでに一回戦目からタフな試合が始まる感覚を覚えました。しかも、どのお相手とも対話がしっかり描かれている。受け身になっていても、言葉の応酬の中でも、常に"生き抜く"ことが求められます」 ──柴咲さんはいかがでしたか? 柴咲「脚本を読んでまず『この人物の言葉は、どこまで本当なんだろう?』という疑問が自然と湧きました。でも律子自身は、自分が語っていることを全く疑っていない。それが一番怖いなと思いましたね。どんなに突拍子もない供述でも、本人はこれが真実と信じているんです」 ──律子の供述から物語が始まる構成ですが、演じるうえでどのようなことを意識されましたか? 柴咲「意外に思われるかもしれませんが、律子は誰かを罠に嵌めようとか、騙そうとか、そういう意図を持っているわけではないんです。むしろ自分は当然のことを言っているというスタンス。その真っ直ぐさがかえって怖さを生んでいるとも思います。なので、薮下先生とのシーンなんかは、全力で"受ける"ようにしました。相手の反応を受け止めながら、自然と出てくる言葉に任せましたね」 ──お二人は今回が初共演ですが、スクリーン越しにはそうとは思えないほど自然で、かつ火花を散らすような芝居が印象的でした 綾野「現場での柴咲さんの役へのアプローチや姿勢にとても魅了されました。精度が高く、迷いがなく、それでいて自然体。なにより芝居の"速さ"に驚きました。ノーモーションで見えない場所から最高速度で拳が飛んでくる感じ。こっちが構える前に、もう打たれている」 柴咲「それはお互い様ですよ(笑)。綾野さんも、一瞬で現場の空気を変える力を持っていらっしゃるので、自然とこちらも引き上げられる感覚がありました。言葉を交わさなくても、共に空気を感じて、信頼して委ねられるというか。だから、初共演なのに、すごくやりやすかったです」

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