磯村勇斗と岸井ゆきのの演技に胸をえぐられる...苦悩に侵蝕された若者の空気感を体現した「若き見知らぬ者たち」
#芸能 #俳優 #コラム 2025.5.31

7月より放送予定のドラマ「僕達はまだその星の校則を知らない」で民放連ドラ初主演を務める磯村勇斗。稲垣吾郎、堀田真由と共演し、私立高校に派遣されたスクールロイヤー(=学校弁護士)を演じる。2023年には宮沢りえ主演の映画「月」で第47回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞したことも記憶に新しく、名実共に高い演技力を誇る俳優だ。 そんな磯村が主演を務め、現在、志尊淳とのW主演ドラマ「恋は闇」に出演中の岸井ゆきのがヒロイン役を演じた映画が「若き見知らぬ者たち」だ。 本作のメガホンをとったのは内山拓也監督。King Gnuや平井堅のミュージックビデオを手掛け、2020年には青春映画「佐々木、イン、マイマイン」で複数の新人賞を受賞して注目を集めた。そして2024年に本作で商業映画デビュー。本作では内山監督が脚本も担当し、フランス、韓国、香港、日本での共同制作となった。 磯村が演じているのは主人公・風間彩人。弟・壮平(福山翔大)と共に難病の母を介護しながら、亡き父の借金を返済するために昼は工事現場、夜はバーで働いている。そんな彩人の恋人で、看護師の日向を岸井が演じている。 これまでも幅広い役柄に挑んできた磯村が本作で演じているのは、追い詰められた環境の中、"希望"や"夢"というキラキラしたものとは程遠い日常を生きる青年。そして、父から幼い頃に叩き込まれた格闘技の道へ進んだ壮平、恋人である彩人の家庭をサポートする日向も、同様に出口が見えない息苦しさを感じている。 カメラテストもリハーサルもなく、"ぶっつけ本番"で撮影されたという本作。だからこそともいえる俳優陣の生々しい演技にも注目したい。